こんにちは、秘書検定準1級面接対策、就職面接対策講師のKeiです。
領収書の金額を間違えたとき、収入印紙も貼っていたら金額を書き直すしかありません。
でも、ときどき驚く訂正の仕方をしているものを見かけます。今回はビジネスマナーを超えて、やってはいけない訂正方法をお伝えします。
まちがえた文字の修正はどうしたらいいの?訂正のルール
訂正は間違いを正しくすることですが、ただ単に書き直すだけでは不正をしたようにも見えます。たとえば、10億円の領収書を1億円に書き直すと「9億円を消す」ことになります。
しかも、修正液で文字を消して、上から書き加えられていたら……怪しすぎますよね。
領収書や契約書など、間違ってはいけないものでも間違いは起こってしまいます。新しく作り直すのが原則ですが、数万円もする収入印紙に割り印までしてあったら、もう作り直すことはできません。
間違ったものの修正方法をきちんと知っておき、冷静に対処できるようにしましょう!
訂正方法の基本〜見え消しと訂正方法
まずは重要書類のNG訂正トップ3を知っておきましょう。
- 消せるボールペン
- 修正テープや修正液
- 塗りつぶし
消せるボールペン
こすって消せるフリクションボールペンは、とっても便利ですが、いくらでも書き直せてしまうので領収書の宛名や契約書の自署などには使えません。必ず一般的な油性ボールペンを使用しましょう。
修正テープや修正液
修正液や修正テープは、完全に見えなくしてしまえるので「何を修正したのか」がわかりません。ビジネス文書の訂正は「修正前も文字が見える」ように、間違った文字の上に二重線などを(油性ボールペンで)引いて消す「見え消し」をしなければいけません。
また、修正テープなどは光にかざせば透けて見えるという欠点もあります。
塗りつぶし
これは論外ですよね。ビジネス文書で塗りつぶすのは、社外に個人情報が記載された書類のコピーを渡すとき、個人情報部分を黒く塗りつぶすときや、企業秘密だけです。
数字と文字の訂正方法は違います
訂正するとき、文字と数字は訂正方法が違います。
種類 | ポイント | 例 | 修正後の文字 |
文字 | 間違っている文字だけを訂正 | 名 | 護の上に「古」を書く |
数字 | 数字全体を訂正 | 打ち消した数字の上に書く |
文字は最小限の単位で消すのに対し、数字はひとくくりの数字すべてを消します。
原則として訂正文字数は必要最低限にしなければならないのですが、数字はカンマがあるため1文字だけ修正するとケタがおかしくなるためです。特に、1,000円の頭に1を書き足すと11,000円にできてしまったり、お尻に「,000」を書き足すと全く違う金額になっていまいます。
このような不正ができないように、領収書や請求書などの金額表示は、
というように金額の前後を書き加えられないようにしておく商慣習があります。
訂正印は何を使えばいいの?
使うべき訂正印は、次の通りです。
- 帳簿や社内の届け→直径6mm程度の訂正印
- 銀行書類→銀行の届け印(企業ならほぼ丸印)
- 契約書類→契約書に押した社印(ほぼ角印)
修正部分の上に一本線や二重線を引いたら、その上に訂正印を押しますよね。押すべき訂正印は上のとおりです。
社内書類は自分の訂正印を押します。勝手に人事部があなたの有休届の日付を書き直したり、経理部が出張旅費を書き換えることができなくなるようにです。
訂正専用の小さな訂正印がないときは、いつもの大きさのものでもOKです。
銀行印や契約書印も、たしかに作成した会社が訂正したと証明するために押印します。
不正と思われないための訂正ルール
脱印鑑が叫ばれていますが、現時点では書類訂正は「見え消しした線の上に訂正印」が王道です。電子印がより一層発達、流通すれば変わってゆくと思いますが、今回解説した基本は覚えておいて下さい。
将来、電子印鑑が使えない場合は、自署(本人手書きのサイン)を求められます。もしも書き直す場合は、訂正印と同様に、見え消しした線にかかるようにサインを書くことになると思います。
ビジネスルールやマナーは変化してゆくものですが、答えだけを覚えるのではなく「どうしてそうするのか」を知っていると、新しいスタイルにも対応できますよ!では、今回はここまで、またお会いしましょう!
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