こんにちは、秘書検定準1級面接対策、就職面接対策講師のKeiです。
ビジネスマナーや秘書検定などを学ぶと「ビジネス文書では『拝啓』『敬具』『時候の挨拶』」が必要」と書かれています。
では、ビジネスメールでも必要でしょうか?
そりゃ必要ですよね?
いいえ、必要ありません!
ビジネスメールでは「拝啓」「敬具」「時候の挨拶」といった紙文書のルールではなく、ビジネスメール文書のルールがあります。
今回は、代表的なものを3点だけご紹介します。
メールに「拝啓」は不要です〜ビジネスメールマナーの間違い
ビジネス文書は「紙」のお手紙です。
紙のお手紙は、郵送するので数日かけて相手に届きます。届いた後も、物体として相手の手元に残ります。
このため、手紙には「気持ち」を添えることがポイントとなっています。
一方、ビジネスメールは「スピード」が最優先されます。
ちょっとクイズしてみましょう。
つぎの内容は「紙(手紙)」と「メール」のどちらが適切だと思いますか?
- 商品発送の連絡
- クレームに対するお詫び
- 本社移転のお知らせ
1の商品発送の連絡はメールです。
手紙では、商品の到着より後に届いてしまう可能性があります。ここは「スピード」重視です。
2のクレームに対するお詫びは、訪問してお詫びすべきところ。簡単にメールで済ますのは相手に失礼であるだけでなく、より一層の怒りや不信感を抱かせてしまいます。紙が正解で、「気持ち」重視です。
3の本社移転のお知らせは、原則として紙です。
大企業や業界の慣習によっては取引先に送る場合、結婚式の招待状のように金縁の厚紙の形式を摂ることも少なくありません。引き続き取引をお願いしますという「気持ち」を込めています。
一般消費者に向けてのお知らせは、相手が多数であること、そもそも本社移転自体が商品に影響がないことなどからメールで送ることが一般的です。
このように、重視すべきポイントが「気持ち」なのか「スピード」なのかが判断基準になります。
ビジネスメールの宛先はビジネス文書と同じ考えでOK
宛名の書き方は、ビジネス文書と同じです。
今度は間違いさがしです!
次のビジネスメールに間違いが5箇所あります。
ABC(株)
佐藤 商品仕入課長 様お疲れさまです、(株)XYZの秘書課○○です。この度、当社から新商品を発売しますのでご案内をします。サンプル品もご用意できますので、ご覧になりたい場合はご連絡ください。 拝
5つともわかりましたか?
1つ目は「(株)」です。略してはいけません。
2つ目は「佐藤 商品仕入課長 様」です。正しくは「商品仕入課長 佐藤 様」ですよね。
3つ目は「お疲れさまです」です。取引先にはNGですよね。正しくは「いつもお世話になっております」「平素より格別のご高配を賜り誠に有難うございます」などです。
4つ目は「当社」です。完全な間違いではありませんが、商品を買ってくれる取引先と読み取れますので「弊社」と書くのが正解ですよね。
5つ目は「拝」です。一部の企業では使われていますが、ほとんどの企業では使われていないので、使用しません。取引先の常識に合わせることがビジネスマナーです。
このように、「メール」になるだけで脇が甘くなってしまうところがビジネスメールの怖いところです。
返信の返信の返信になったらビジネスメールのタイトルは書き換える
返信すると、メールのタイトルには「Re:」がつきますよね。
このメールに先方が返信してくると「Re:Re:」、さらに返信すると「Re:Re:Re:」がつきます。
こうなってくると、受け取る側は「タイトルを変えるのすら面倒なのか?」と軽んじられている気持ちがよぎります。
一方、返信にせず、新規メールで返信してしまうと今までのやり取りが見られなくなります。
ビジネスメールの間違いは気づきづらい
1人1台のパソコンで仕事をしていると、ビジネスメールの間違いは先輩や同僚の目に触れないので気づかないことが多くなります。
ネット上ではたくさんのビジネスメール例文が見られますので、仕事の合間に少しずつ見て「自分のビジネスメールが間違っていないか」とセルフチェックしてみてください。
今日のコラムはここまでです。またお会いしましょう!