秘書検定準1級面接試験会場内へ
案内係の女性が面接試験会場のドアをノックして、
「失礼いたします」
と言い、ドアを開けます。
そのまま受検者に入室するような仕草をして、ドアの手前で立っています。
あなたは、3人のうち2番目でした。
前の受検者が「失礼いたします」と言い、入室すると、次はあなたの番です。
一歩、会場に入り、直立姿勢をします。
面接官3人に向かって、明るく、はっきり、大きな通る声で
「失礼いたします」
といい、普通礼をします。
礼が終わり、会場の左手にある受検者の席に向かいます。
椅子に座り、背筋を伸ばして正面を見据えます。
もちろん、頭の中は、先ほどの課題を報告するセリフを繰り返しています。
3人目の受検者が着席すると、案内係の女性は「失礼いたします」と言って、試験会場のドアを閉めます。
さあ、いよいよ秘書検定準1級面接試験本番です。
3人並んで座っている面接官のうち、一番左の面接官が、
「はじめの方、どうぞ」
と言いました。
1番目の受検者が「はい」と返事をして、起立し、1番目の面接官の前へ進みます。
あいさつ、報告、状況対応と進め、1番目の受験生の面接が終わりました。
アドバイスシートを受け取り、退室してゆきます。
なんだか前の受検者の方がとても慣れているように見えて、よりいっそうドキドキしてしまいます。
でも、秘書検定は技能検定。合格ラインさえ超えれば誰でも合格できる試験です。
前の受検者がどれだけ上手だろうが、むちゃくちゃだろうが、あなたの合否に直結しません。
おちついて。
とにかくあいさつをクリアしましょう!
「次の方どうぞ」
明るく、はっきり、1番目の面接官に向かって「はい」と応えます。
すっと立ち上がり、1番目の試験官の前2メートルほど前へさっそうと、歩き、ピタリと止まりました。
「失礼いたします」といい、普通礼をします。
そして、さわやかな笑顔で、面接官の鼻を見ながら、
「受検番号〇〇番、〇〇 〇〇と申します。よろしくお願いいたします。(普通礼)」
と言います。
面接官から「はい、では、次へどうぞ」と2番目の面接官の前へ行くようにジェスチャー付きで案内されます。
「失礼いたします(普通礼)」
といい、右へ方向を変え、2歩程度でしょうか、さっさっと進み、ピタリと止まります。
2番目の面接官の方へくるっと向きを変え、いよいよ報告です。
「失礼いたします(普通礼)。(前傾姿勢)ご報告したいことがござますが、ただいまお時間よろしいでしょうか?」
と言いました。
面接官が「はい、どうぞ。」と言います。
あなたは小さくうなづくと、前傾姿勢のまま、考えたセリフを言い始めます。
GPS機能もついているため、遭難時にも役立つと期待が高まっているそうでございます。
緊張して少しセリフを噛みましたが、なんとか言い切りました!
面接官が何やらメモをしてから「はい、では、次へどうぞ」と最後の面接官の前へ進むように促します。
「はい、失礼いたします(普通礼)」
といい、また2歩ほど右へ移動、最後の面接官の前へ立ちました。
最後の面接官の前、正直あなたはもう気力も限界です!
しかし、たった10分程度の舞台ぐらいやりきってやると力を振り絞り、笑顔を輝かせます。
「失礼いたします(普通礼)」
というと、面接官が「はい、こちらをどうぞ」とフリップを立てました。
フリップを見ていいのはせいぜい10秒くらいでしょうか?
頭の中が真っ白になる瞬間です!
しかし、なんども練習してきたあなたは、少し慣れてきていたのでしょうか、思いのほか落ち着いてフリップの問題をゆっくり噛み締めて読んでいます。
状況対応の課題は次のようなものでした。